いだてん 第24回 種まく人

さようなら、シマ先生。そして、走れ!韋駄天

    シマ先生…。いくら叫んでも見つかりません。

うなだれるカナクリ氏。余震は続く。「もう…何や。もう、やめちくれ、やめちくれ!」

    一方、神宮を避難所として市民に提供する治五郎先生。そして外苑バラックが完成。

カナクリ氏は4年ぶりに妻の待つ熊本へ帰ります。家族との再会を喜ぶカナクリ氏。しかし、義母に、こんな時こそ東京で踏ん張らんでどうする!と諌められ目が覚めるカナクリ氏。カナクリ氏はすぐさま東京へ戻って走って救援物資を運びます。韋駄天とは人々のために走って食べ物を集めて運んだ神様であることを知ったのです。

 

    そんなある夜のこと。カナクリ氏は松明を持って走るシマちゃん先生を見かけます。「カナクリ先生。」振り向きざまに彼女が言ったのを見守るカナクリ氏。でもやがて走り抜け消えて行きました…。呆然とするカナクリ氏の頬には一筋の涙が。きっとシマちゃん先生がお別れを言いにきたのでしょう。

 

    さて、地震から1か月。カナクリ氏の提案により復興運動会を外苑バラックでやることが決まります。これには反対もありましたが、増野さん(シマ先生のご主人)は運動会の宣伝することでシマ先生が見つかるかもしれないのでやって欲しいと願い出ます。

 

    そして、いよいよ、復興運動会の当日。懐かしの面々が次々と集まります。子供から大人までが参加し、皆、腹の底から大笑いし、大成功を収めます。人見絹枝さんも岡山から出てきます。シマちゃん先生からもらった陸上への誘いの手紙を持って…。

 

「私は走ることが大好きです。走ることは気持ちいい。男も女もないはずです。女子の陸上はまだ世界でも認められていません。だけど私はあなたの走る姿を世界中に見せたい。私が金栗先生に憧れたように、あなたの走る姿を見て、あなたのようになりたいと願う女の子が一人でも現れたら、それこそが女子スポーツの未来を開くのです。」シマ先生は手紙の中で訴えます。絹枝さんと富江さんがリレーで競い合い同時にゴールしたその時、増野さんにははっきりと見えたのです。皆に混じって笑顔で手を叩き、応援するシマちゃん先生の姿を…。

 

 

    さて、いよいよ大会もクライマックスへ。オリンピック出場選手による徒競走。

満を持してあの痛快男児三島弥彦登場です。まさかの三島さんvsカナクリ氏!

 

 

    金栗四三。彼はいつも走っていました。東京で、ストックホルムで、箱根駅伝で。復興のためにも走りました。そして、彼が走った後はみんなが笑顔になる。走ることで人を幸せにする。彼こそまさに『韋駄天』に違いありません。

 

 

ゴールテープを切った後もまだまだ走り続けるカナクリ氏でした。  第1部完結