いだてん 金栗編クライマックスへ向けて

いだてんが名作だと思う理由

    ここへきて、『いだてん』から目が離せなくなりました。展開が目まぐるしく実にドラマチックです。。金栗編の前編ではカナクリ氏がマラソンを通じて自分の殻を打ち破る姿が中心に描かれました。校長であるところの嘉納治五郎先生やオリンピックで苦楽を共にした頼れる存在である三島弥彦先輩、いつも自分を信じてくれる妻のスヤさん他、実に個性的な人たちがカナクリ氏を支え、応援してくれました。結果としてカナクリ氏にとっては満足のいく成績は残せませんでしたが、しかし、そのままでは終わらず新たな道で歴史の名を残すところが大人物です。そして、それが描かれているのが金栗編の後編です。ここでは、カナクリ氏はサポート役に徹し、みんなから頼られる存在になっていきます。村田富江さんをはじめとする竹早の女学生たち、同じく竹早のシマちゃん先生、そして先週登場した人見絹枝さん。彼女たちとの出会いと信頼関係の構築の過程が本当に見ていて飽きません。対立関係から始まりやがて信頼関係へと変化して強い絆で結ばれる。富江さんに至っては初登場が前々回であるはずなのにカナクリ氏への当初の嫌悪感が嘘のように今では「パパ」などと言ってすっかり懐いています。こんなに短い間に互いに信頼関係を深める姿を描けるのはさすがクドカン・マジックです。富江さんたち当時の女学生の日常生活を面白く描いている点、富江さんと絹枝さんを競わせている点、シマちゃん先生と絹枝さんの関係などカナクリ氏以外の人たちの結びつきも物語をよりドラマチックにして楽しませてくれます。また、黒崎結菜さんや菅原小春さん杉咲花さんなどの若手女優陣のはつらつとした演技も微笑ましくそれぞれの役にふさわしく思います。

迫る金栗ロス

    日曜日の晩にほっこりとした、でもどこかハラハラさせられる珍しい大河ドラマ。さて、いよいよ金栗編も終盤に近づきました。今夜はあの関東大震災が描かれます。誰かが犠牲になってしまうのでしょうか?そして、金栗編の最後はどう締めくくられるのでしょう。さらにその先は?寂しさと期待が膨らみます。