いだてん語録 第22回 ヴィーナスの誕生

登場人物

カナクリ氏(中村勘九郎)…日本女子スポーツ普及のため、東京府立第二高等女学校(通称・竹早)に赴任。竹早の女学生たちをスポーツに目覚めさせる。

スヤさん(綾瀬はるか)…カナクリ氏の奥さん。

シマちゃん先生(杉咲花)…竹早に勤めるカナクリ氏の同僚。前回結婚して今回、子供が生まれました。

富江さん(黒島結菜)…前回からの登場。同級生梶原さんとともに今や竹早女子スポーツのアイドル的存在に。シャン(美人)な15女子。

人見絹枝(菅原小春)…身長170cm。日本女子初のオリンピック参加選手となるのはまだ先のこと。今回はまだ岡山高等女学校の生徒。

 

今回のメインはなんといっても人見絹枝の登場でしょう。

 

今回のいだてん語録

    前回とはうって変わって竹早の女学生に大人気のカナクリ氏。今や女学生たちの信頼も厚く彼女たちからこう呼ばれている。今回の名言その1

 

「パパ」(竹早の女学生)

 

 大正の平和な時代は平成、令和時代と重なります。大正女子の会話を覗くと…

「西洋人はスタイルシャンだもの。私達みたいな大根足じゃアウトよね。」

「どうしたらシャンな脚になるかしら。」

「米ぬかで揉むといいそうよ。」

「それじゃ大根のぬか漬けじゃない、アウト、アウト。」

「陸上選手の脚ってシャンよね。」

と、こんな具合で話が進み、カナクリ氏の住処に押し寄せる女学生たち。

そこで、彼女たちを代表して富江さんがカナクリ氏に対して次の名言を放ちます。

 

「パパ、脚見せて」

 

これにすかさず反応したのがカナクリ氏の奥さんのスヤさん。

「パパ?」

富江さんの発言に驚くカナクリ氏。

「脚?」

言われるままに脚を出すカナクリ氏。さらに欲を出す富江さん。

「触ってもいい?パパ。」

許可をもらって女学生みんなでカナクリ氏の脚をペタペタ。

一部始終を横で見ていたスヤさん。

「パパって、なんか、いやらしいか!鼻の下伸ばして。」そして、「はーい、そこまで、そこまで」と女学生たちを遮ります。

 

さて、そんなことやっているうちに、竹早vs岡山高女のテニスの試合が組まれます。竹早からは、名実共に竹早最強のシャンな女子、富江さんが登場。お相手はこう呼ばれて登場しました。

 

「化け物、ぼっけぇ男じゃ、ばっさい絹枝」

 

そう、人見絹枝さんの登場です。

試合は一方的。圧倒的に大差で絹枝さん組の勝利。

試合後、シマちゃん先生が絹枝さんの実力に注目し、カナクリ氏に絹枝さんを陸上の選手として勧めます。これに納得したカナクリ氏。彼女の脚が陸上向きか確認するためとうとう次の名言を絹枝さんに放ちます。

 

「脚ば見せなさい」

 

袴を脱ごうとする絹枝さん。

「袴の上から触るだけでよか。触るだけ…どれ…」

結果は…どっかーん絹枝さんの見事な蹴りが決まって、カナクリ氏、悶絶。「当然の結果ですね。」とナレーション。絹枝さんは申出を断り逃走。

 

大正11年の秋には女子陸上大会が開催。その中で富江さんが黒靴下を脱いだことが大問題に。やはり当時はまだ女子が肌を見せるのはタブーだったようです。富江さんの本物のパパが登場し、カナクリ氏の教育方針に激怒してこう言います。

 

「解雇して下さい、このばってん男を!」

 

女学生に翻弄されたり、蹴りを食らったり、怒鳴られたりと踏んだり蹴ったりのカナクリ氏。「パパ」と「脚」に振り回されましたね。でも女子スポーツ普及の夢は一歩ずつ前進しています。頑張れ、カナクリ氏!

 

次回は、大正12年関東大震災。悲劇が起こる…。