アメリカ、イラン空爆中止。その真相は…
『イラン攻撃物語』
ニューヨークタイムズによるとトランプ大統領は、米軍の無人偵察機撃墜に対する報復として、米東部時間21日夜明け前にイランに対し空爆をする計画でした。
この計画は直前まで進行していたが、トランプ大統領は急遽、空爆の指示を撤回しました。どうしてなのでしょう。
イラン空爆という強硬策を主張していたのが、ジョン・ボルトン。
彼は『悪の化身』とまで呼ばれた保守派の大統領補佐官です。
「民主主義を共有しない国は敵だ」
彼は演説で高らかにこう述べました。
以前は、ジェームズ・マティス国防長官がトランプ大統領の行き過ぎた政策を修正していましたが、トランプ大統領によって辞任に追い込まれました。
こうなるともう止める者は誰もいません。事実上、ボルトンの主張が通ります。今回もそうなるはずでした。
しかし、大統領はイラン空爆の準備が整ったとの報告を受けると次のように聞きます。
「この空爆でイラン人は何人死ぬのか?」すると、
「150人です。」と回答があり、しばらく考えた大統領は、空爆の10分前になって突然中止命令を出します。
「自分の命令で150人もの人間が死ぬのは耐えられなかったんだ。」大統領はインタビューにこう答えました。
と、実に劇的な流れですが…。ハリウッド映画の一幕のように出来過ぎているような気もします。
『トランプ劇場』
実は、『劇的』なのではなく、『劇』だという意見もあります。
全てが仕組まれた演出だというのです。
トランプ大統領は、当初は「攻撃するぞ」と強気の姿勢を示しておいて、ギリギリになって攻撃を中止する。これは私(トランプ)とディール(取引)すれば戦争回避できるぞ、というアピールだというのです。
これによりトランプ大統領は戦争のヒーローではなく
戦争回避のヒーロー
になるというわけです。
もちろんこれは大統領再選への布石とするためでしょう。
さて、この『トランプ劇場』に果たしてボルトンも一枚噛んでいるのか、それとも利用されているのか、不明です。
アメリカの政治はパフォーマンスだらけで何を信じたら良いか分かりません。そもそも、『イラン問題』も実はアメリカが『問題化』している向きもなきにしもあらず…?