相模原障害者施設殺傷事件公判に始まる2020年

今週のお題「2020年の抱負」

 

 大それた目標は持つまい。しかし、「社会の役に立ちたい」とは、程度の差こそあれ、誰しもが一度は考えたことのあるであろう目標である。

 

 社会の役に立たない人間は抹殺すべきとの差別的主張を繰り返す被告人の裁判がいよいよ始まった。

彼は以前、「あなたは社会の役に立っていたのですか。」との質問に対し、「私は何の役にも立っていませんでした」と答えていた。

だから、19人の障害者を殺害して社会の役に立った、とでも言いたいのだろうか。何とも曲がった考えである。

身体的、精神的に障害を抱えている方々は、役に立とうと思ってもまずもって社会と接することすら難しい。

このような方々に対する被告人の差別的主張には、本当に怒りが込み上げてくる。

被告人は公判初日からいきなり暴れ、退廷が命じられ休廷。被告人不在のまま審理は進む。 

被告人が、何故、一足飛びに殺人という手段を選ばねばならぬほどに、あたかも使命であるかの如く、強固な考えを持つに至ったのか。

何が、彼にこんな考えをもたらしたのか。

分からない。

しかし、この日本で現にこんな考えをもつ人間が存在することが証明された。

私は、この男に対して、深い憤りを覚えるとともに、こんな人間を生み出した日本の社会に大きな失望を感じる。

願わくは、こんな考えをもつ人間が出てこないような社会になるよう微力を尽くしたい、とも思うが、一個人がもつ目標としてはあまりに大それたものであろうか。