『麒麟がくる』第九話感想 果たしてNHKに麒麟はくるか
主人公を出さずにいかに魅せるドラマを作るか。これこそ脚本家の腕の見せどころであろう。下手をすると批判の雨あられとなってしまう。視聴者はその主人公の活躍を見たいからに他ならない。さて、今回は、おそらく麒麟がくる始まって以来の主人公・光秀がほとんど出ない回となった。主に三つに分けてみた。
1、織田信長関連の話
今回の目玉はなんといっても信長。前回の終わり方が、今川義元の「戦じゃ!」で終わっていたが、おそらくそうはならないだろうと思っていた。
これまでのNHKのやり口として次回への「釣り」であることが多いからである。
あのような鼻息混じりの終わり方をすれば、次回も見るだろうという意味での「釣り」である。
釣られてみると肩透かしを食らわせられるのは分かっていた。
このブログでも、また批判しなければならない、と直前まで思っていた。
しかし、駒エピソードは影を潜め、信長エピソードで前半は占められていた。
信長と信秀の関係を物語るような話。
めでたい席上で父に対し松平広忠の首を手土産に差し出すという、信長の異様さを物語るエピソード。
「若い頃からやっぱり信長は…」という、「さもありなん」ストーリーといえよう。
また帰蝶や竹千代、土田御前、とのやりとりもあり結構長い時間を織田家に費やしていた。
それぞれの関係性を紹介する意図があったものと思われる。
タイトルも『麒麟がくる』なのであるから、別に光秀一人を延々と追っかけなくても問題無いと私は考えている。
群像劇を描くのであればそうした方が良い。
ましてや、光秀の前半生は謎に包まれた部分が多く、無理矢理、妙な話を作り上げて光秀と絡ませるのであれば、いっそのこと光秀から離れて別の有名なエピソードを盛り込めば良い。
その方が、全体としてスケールが大きくなろう。
だから今回の信長エピソードには不満はない。
2、光秀と煕子の出会い
さて、ここからがしんどい流れとなる。
しかし、光秀の正室・煕子は描かねばならない。
わざわざ、隠れんぼだの、鬼だの、こんな演出は必要か?とも思ったが、まあ、ダラダラし過ぎていなかったので、『おんな城主・直虎』のことを思えば、まだマシか。
しかし、煕子との出会いの場面が避けて通れないのが分かっているなら、今までの駒に関する話はなお一層不要である。
女性の立場から見た光秀の姿は妻である煕子一人に限っておくべきだった。
ということで、次の話題へ。
3、またしても駒
番組終了ギリギリになってまたぞろ出て参りました、おなじみタイムトラベラー・駒。
失恋から立ち直れない駒が針治療で失敗する、全くどうでもいい話。
今回は駒の出番が少なかったのが救いか。
しかし、予告では、駒が泣いていたようだし、伊呂波大夫も登場するようだし、架空キャラクターのオンパレード。
これは一体、なんのドラマだ!
今週のお題「ホワイトデー」
おモテになられる『蜜秀』様はホワイトデーも忙しそうですなあ!