『麒麟がくる』第五話感想 果たしてNHKに麒麟はくるか

 第5話 『伊平次を探せ』

 今回の大河の視聴率は13,2%と前回の13,5%からの微減にとどまった。なるほど納得の内容であった。


1、細川藤孝の登場

 光秀の盟友であり、やがて、藤孝の息子・忠興に自分の娘・珠を嫁がせる。珠こそがあの細川ガラシャなのはあまりにも有名。

 

2、足利義輝の登場と剣の師匠についての言及

 言わずと知れた、塚原卜伝のこと。流派は鹿島新當流。一の太刀は有名。細川藤孝もそうだが、ここら辺りについて触れてくれると、戦国好きはワクワクが止まらない。

 

3、松永久秀の鉄砲の抑止力についての言及

 戦で使うとなったら、実際問題、弾込めなどに時間がかかり過ぎ、役に立たない、と判断。そこで、そもそも戦そのものを回避するために鉄砲を抑止力として使用する利点を説明。

 

4、吉田鋼太郎氏の怪演に引き込まれた

 昨今、貴重な演技派俳優だと思う。後半はほとんど全て、彼が持っていった感じがする。このような曲者役者は非常に重要。

 

5、鉄砲が物語の柱になっている

 ここのところ、毎回の如く、鉄砲についての言及がある。当時の話題性のある新兵器ということで、この兵器を大名、武将はどのように見ていたかをつらつら描いている。話のネタとしてはなかなか面白い。空白である光秀の前半生を何で埋めるか疑問だったが、鉄砲に目をつけるとは。なるほどありうる選択肢だと思う。

 

6、3話4話と違い架空キャラの出番が減った

 とはいうものの、依然として、

『光秀に 届かぬ駒の 恋心』

とでもいうべき駒の女心を描こうとしており、せっかくの緊張感も半減する。

視聴率を考えるのであれば、NHKとしてはいち早く、この架空キャラなるものを追放すべきだ。

私のブログでも、何度も言っているが、光秀どころか戦国時代に全く関係のない現代版恋愛ドラマをなぜ、見せられなければならないのか意味不明である。

視聴率が下がる原因は架空キャラによる緊張感の喪失にあることをいい加減直視すべきだ。

酷い視聴率を誇った『おんな城主 直虎』では主人公・井伊直虎がこともあろうに、架空キャラの男性と駆け落ち寸前までいった。

歴史上の人物と架空のキャラとの恋愛はその歴史上の人物への侮辱である。

あのような歴史に対する冒涜行為はもう2度と見たくない。

 

 

以上、見ていただければお分かりの通り、今回は6を除いて、いかにも「それらしく」、「さもありなん」という姿勢が貫かれている。だからこそ視聴者も逃げなかった。3話・4話もこのようにしていれば、視聴率も微減にとどまったものを。

 

 

今週のお題「大切な人へ」

 

『光秀に 届かぬ駒の 恋心』

もしこの話題で40分放送されればどうなるのだろう。

考えただけでゾッとする。(正直、『女の子大河』『キラキラ大河』に溺れてきたNHKならやりかねないので恐ろしい。)