『令和 』なんて読む?

所さん大変ですよ令和元年5.30

    令和元年5月30日のこと。『い』の音がなくなる、とまで言われたら見ないわけにはいかないでしょう。ということで、テレビの前に座ってみたら…

「れーわ」って言ってる!

    新元号『令和』。これを街の人に発音してもらうと、全員が全員、口をそろえて「れーわ」。うん、確かに自分でもこう言うだろう。わざわざ、「れいわ」と正確に発音するのはしんどい気がする。そうか、私たちは『い』という1つの音が消える瞬間に立ち会っているのだ。なぜしんどく感じるのだろう。それは、現代人は猫背になってきており、猫背になると『い』の音は発音しづらいらしい。だから現代人に都合のいい話し方を選ぶようになったとか。

こんなことは、今に始まったことではない

    たとえばお年寄り世代では「美味しゅうございます」と言っていたが今では「美味しいです」とより簡単に表現するようになった。

    他にも、平安時代には『はひふへほ』はなく、(えっ、そうなの?)『は』行は『ぱぴぷぺぽ』や『ばびぶべぼ』が使われていたが、やがて唇を破裂させるのは大変だからということで多くが『はひふへほ』に置き換わった。

声ビジネス

   『い』の音が消えようとする一方で、現在、ボイストレーニングが流行している。会議などで自分の意見を受け入れやすくするために低い声を出したがるビジネスマンやアンチエイジングのため高い声に憧れる女性たちの存在が紹介された。声ビジネスの登場といったところか。需要のあるところに供給あり。

歌声の変化

    1960年代から現在までの間で男性歌手の高音化が進んだ。1960年当時はやはり、男は男らしくという風潮があってか低い声の歌手が多かった。しかし、徐々に高音化が進む。なぜか。その理由について番組内では以下のように説明された。1980年代にはお年玉が1万円を超えた。そこで、レコードを売るための戦略としてアイドルが生み出された。そして、子供ウケを狙うためアイドルたちに高音で歌わせた。これを称して『お年玉効果』というらしい。初耳だ。

 

 

    日本語は私たち日本人が使う言葉なのだからそれを消そうがどう発音しようが自由だと言われればそうなのかもしれない。でも、それを進化だと言って素直には喜べない。消えてしまった『い』の響きに含まれる価値はもはや取り戻せなくなるのだから。