ブラタモリの説得術

ブラタモリ令和元年6.1

『ちばらぎ』は日本の要だった?

    令和元年6月1日のこと。この日、千葉茨城日本の要などと過激なことを言うのでブラタモリに説得されにテレビの前に座ってみました。すると、どうも3つの理由があるとか。どれどれ…

1 鹿島神宮

    古代に建立された鹿島神宮。縁起が悪いはずの北向きに神社が建っている。これは、東北つまりは蝦夷に備えるための軍事拠点があったからだ。

神の使いの鹿がいる。

神宮という名称が与えら手いるのは伊勢・香取・鹿島の三つだけ。

1000年前の霞ヶ浦は今よりもはるかに大きい湖(現在、日本で2番目の湖)。海上交通として大いに利用され、さらには外海にも通じており非常に重要。だからこそ、この霞ヶ浦の玄関口鹿島神宮香取神宮が建立された。

2 利根川

    もともとは江戸湾に注がれていたが頻繁に氾濫を繰り返すため家康が江戸を守るため経路を変えて千葉・茨城方面へ流れるようにした。『ちばらぎ』にとっては、一見デメリットしかないように思われるが、この利根川を利用して水田を作ることに成功。また、堤防を築く過程で水路が形成されこの水路を農業用、運搬用、観光用(観光船)として利用。

3 地図

    千葉の佐原には伊能忠敬旧宅がある伊能は日本全国を旅してその海岸線を実に細かく測量して日本初の日本地図を作成した。その過程たるやすさまじいもので、距離と角度を測りながらの気の遠くなる作業を繰り返した。星を観察して角度を図ったところもある。だから夜もシラフでいるため酒を断つという起請文まで書いた。また、同じ地点間の測量を必ず二度行いその平均値を出して可能な限り正確に測量を行った。この作業を日本の全ての海岸線4万キロ、地球一周分歩いてまわったことになる。こうして完成した日本地図により日本人という自覚が生まれ、そしてまた軍事用、教育用として大いに活用された。その地図作りに不可欠な測量術を身につけるきっかけとなったのが氾濫する利根川の詳しい地図作りであった。

 

今までこんなことは考えもしませんでしたけど、ここまで理屈を並べられると、なるほど日本の要といっても間違いではないのでは…。恐るべし、地学、恐るべし、ブラタモ。

砂粒から日本を知る番組

    ブラタモリは地形や地質など細かい学問的知識の紹介にとどまらず、それらの知識を使って日本の真の姿を浮き彫りにする数少ない番組だと思います。まさに生きた地学といったところでしょうか。また、番組構成も限られた時間内で視聴者をいかに説得するかに心血が注がれており説得術として参考になるほどです。冒頭で紹介されるテーマに対してだいたい3つほどの理由を用意しており、45分番組なので約15分ずつ各理由を説明します。また説明の仕方も以下のように実に論理的。

 

1.まずは、実地散策

2.岩石や砂粒などについて分析

3.その情報を元にそこの地形や地質の特徴を読み解き

4.それらがその地域に及ぼす影響を考え

5.そこからその地域の日本における役割を導く

つまり、ミクロ的視点からマクロ的視点へと流れているのです。45分間で何か壮大なドラマを見ているような気分になりますね。皆さんも説得術の勉強として見てみてください。